2014年わだつみ会8・15集会アピール 「集団的自衛権」行使容認に関する閣議決定は、現職の総理大臣自身による戦後民主主義へのクーデターであった。 内容的に、日本国憲法第9条「戦争の放棄」を事もなげに葬り去っただけでなく、手続き的にも、国会開会中だったにもかかわらず、政権与党間の密室協議による合意にもとづく決定だった。憲法改正の手続きの明記(第96条)も、彼ら自身が負っている憲法の尊重擁護義務(第99条)も、弊履のように投げ捨てた。お得意の積極的平和主義とは、日米軍事同盟のもと、世界中どこでも戦争を可能にする「平和主義」の謂いであろう。 あの閣議決定から一月半になるが、安倍総理は、市民各層からの異議申し立てにまともに答えず、「国民の平和と暮らしを守るのが私の責任」と嘘ぶくばかり。 このような現状こそ、1930年代に全世界を相手に大戦に突入して行った大日本帝国の再現でなくて、何であろう。日本がアジア諸国を侵略し、幾千万戦争犠牲者を生み出したことなど、安倍総理の記憶の片隅にさえないかのようである。私たちがこだわる戦争責任・戦後責任についても同様だ。近隣諸国から現に批判されている歴史認識の欠如とは、まさにこのことを指すのであろう。 私たちは7月1日の閣議決定の撤回を求めるだけでなく、以上のような根源的な立場から、戦没学生の遺志を継いで反戦平和の闘いを粘り強く続けることを決意する。 すでに徴兵制の登場までささやかれている。わだつみ会の発足当初、朝鮮戦争勃発から警察予備隊創設への動きのなかに、同様の危機を覚えた当時の学生会員が「反徴兵署名運動」を展開、30万余を集めた事実も忘れがたい。 自衛隊は間違いなく戦力だが、すべての国民と同様、自衛隊員の生命はじめ基本的人権を私たちは、あくまで擁護しなければならない。 今後とも私たちは、志を同じくする人々と手をたずさえ、臆することなく、あらゆる手段をつくして、安倍内閣の戦争政策と闘いつづけることをここに声明する。 2014年8月15日 日本戦没学生記念会(わだつみ会) 8・15集会 参加者一同 |
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